皆さん、こんにちは。
浜松科学館の生き物博士、小粥です。
12月20、27日に「親子でバードウォッチング」イベントを開催しました。
この催しでは、初めてバードウォッチングをする親子を対象に野鳥を観察する面白さを体感していただきました。
まずは、双眼鏡の使い方から。
バードウォッチングでは、見つけた野鳥をいかに素早く双眼鏡の視野に入れ、ピントを合わせるかが勝負!
特に遠くにいる野鳥を双眼鏡の中に入れるには、練習が必要です。
コツは、双眼鏡で野鳥を探さないこと。
野鳥を見つけたら、そのまま頭と視線を固定して、そこへ双眼鏡をあてます。
そうすると自然と双眼鏡の視野の中に野鳥が入りやすくなります。
屋内で双眼鏡の使い方を練習したら、本番です!
今回の観察フィールドである近所の馬込川へ移動しました。
さっそく様々な野鳥が登場します。
頭と視線を固定したら、双眼鏡で観察!
練習のかいあって、野鳥を素早く視野に入れていきます。
まず登場したのは、身体が真っ黒で、嘴と額が白色なオオバン。
川の中で群れを作り、水草を食べています。
次に橋の近くのコンクリートの上に現れたのは、イソヒヨドリの雄。
朱色の腹に、濃い青色の体が美しいです。
コンクリートの割れ目を嘴で突き、餌を探しているようでした。
他にも水辺を歩くハクセキレイや、イソシギ、オオバンの近くを通り過ぎるカルガモとマガモの群れなど、休む暇がないほど色々な種の野鳥が登場しました。
登場した野鳥は、科学館発行のミニガイドブックでチェック。
浜松周辺に一年中生息する留鳥を対象にした「野山の留鳥編」「水辺の留鳥編」、冬の時期だけ現れる野鳥を対象にした「冬鳥編」の計3冊です。
「オオバンは、冬鳥(編)!」
「イソヒヨドリは、水辺(の留鳥編)!」
といった具合に、その場で観察と学びを繰り返していきます。
中盤には、
「あ!カモ発見!何カモかな?」
「またカモ発見!あ、カモじゃなくてオオバンだった…。残念…。」
と参加者の皆さんの観察姿も様になり、講師よりも先に野鳥を見つけることも!
観察を終えて科学館に戻ったら、図鑑をみながら総復習です。
1人1種ずつ、観察できた野鳥を挙げていきます。
この日は1時間半ほどで計22種の鳥を観察することができました。
観察された野鳥:キジバト、トビ、モズ、ハシブトガラス、メジロ、ムクドリ、ヒヨドリ、イソヒヨドリ、スズメ、ハクセキレイ、カルガモ、カイツブリ、コサギ、イソシギ、カワセミ、キセキレイ、ヒドリガモ、マガモ、コガモ、オオバン、ジョウビタキ、アオジ
参加者の中には、ハトを筆頭に野鳥が苦手で嫌いな方もいました。
しかしイベントの中で、ジョウビタキが尾を振りながら枝にとまる様子や、ハクセキレイが道をテケテケと横切る様子を観て、最後には「鳥が可愛らしくて好きになった」と言ってくださいました(でも相変わらずハトは苦手なようです)。
私たちの身近にも、こんなにも沢山の野鳥が暮らしていること、そしてよく観ると生活の一面や可愛らしい様子を発見することがあります。
皆さんも冬鳥が到来して野鳥の種数が多くなる今の時期に、バードウォッチングを楽しんでみてはいかがでしょうか?
科学館発行のミニガイドブックのダウンロードはこちらから↓
https://mirai-ra.sinfony.net/download-page/#contents