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表紙の1枚:「偶然の出会い」をつくる

浜松科学館の広報誌「COMPASS」。
その表紙に登場するスタッフをたずねる「表紙の1枚」を、今回から連載します。
第6号は「サイエンスライブラリー」で絵本の読み聞かせを行う、サイエンスチームの大堂さんです。

サイエンスライブラリーはカフェに併設した小さな図書スペースで、誰でも自由に本を手に取り読むことができます。浜松科学館リニューアルオープンの際に、ここの本の整理を大堂さんも担当しました。

サイエンスライブラリー

「リニューアル前は別の場所に図書コーナーがありましたが、壁で囲まれて少し入りづらい雰囲気がありました。カフェの横に移ってとても明るくなりましたね。」と話す大堂さん。

ここに並ぶ本は、大堂さん含め、サイエンスチームが中心となって選んでいます。
「科学実験や工作の本が豊富にあってオススメです。『科学のアルバム』など、長い人気を誇るものも全シリーズ揃っています。私自身、ここの本からショーやワークショップの参考にしたりもしていますよ。子供向けの科学の本は、文章も優しくて解説の時の言い回しに応用しています。」

風船を使った実験のみが載っている『ゴム風船の実験』
職員制作の推薦ポップ

靴を脱いで上がるスペースには絵本も並んでいます。
「科学に関連した絵本が多いですね。私は絵が大きく描かれていて、ページを開いた瞬間にパッと伝わるような、説明が少ないものが好きです。私が自分の子供に読み聞かせをしたときも、そのような絵本が人気でした。」

『たんぽぽ』(福音館書店)

「科学館で読み聞かせをするとなったとき、物語よりも、実験や工作が紹介されている本を読んで、終わった後実際に実験をしてもらうことをセットにしたらどうかなと考えました。今回読み聞かせした『みかん』は、みかんの育ち方や種類が分かりやすく描かれ、ちょっとした工作も紹介されていてまさにぴったり。みかんの汁で風船が割れる実験までを体験してもらいました。」

読み聞かせ用に選んだ絵本。今回は『みかん』(福音館書店)をチョイス。

大堂さんが読み聞かせをしているあいだ、子供たちからたくさんの感想がでていました。
「それ知ってる!」「みかんのランプ、きれい」
その言葉に笑顔で相槌を打ちながら、ゆっくりした語り口で読み進めています。

みかんの工作を紹介

科学館にライブラリーを設けている理由には、「偶然の出会い」を大切にしてほしいという思いもあります。
ふと立ち寄った場所で手に取った本が、自分にとって思いもよらない発見につながる…なんてこともあるのではないかと思います。読み手が選んだ本に、声を通して触れる読み聞かせも、出会いのひとつの形ではないでしょうか。

大堂さんがこの場所でつくる本との出会いを体験しに、ライブラリーに寄ってみてください。

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