沿革
浜松科学館は、科学に関する知識の普及および啓発を図る社会教育施設(博物館類似施設)です。青少年の「科学する心」を育む場として、1986年5月1日に開館しました。
開館時から、ドーム径20mの大型プラネタリウムと体験型の展示が話題となり、市民に親しまれてきました。東海地域では名古屋市科学館に次ぐ規模の総合科学館として、小学校等の団体利用も多く、市内だけでなく近隣の市町からも広く認知されています。
当館の設計を手掛けたのは建築家の仙田満氏です。建物全体で「遊環構造」が意識されていることに加え、カラフルな配管等で建築設備が学べるような工夫も見て取れます。周囲にはサイエンスパークと自然観察園を合わせて約4,700㎡の敷地があり、浜松駅周辺では貴重な緑地となっています。
また、ものづくりの街浜松を代表する複数の地元企業から、常設展への協力を得ており、各社から寄託された実物資料を保管および展示してきました。2015年には、その前年にノーベル物理学賞を受賞した天野浩(浜松市出身)が名誉館長に就任し、常設展の中に受賞を記念する展示も設けられています。
その後、2019年に常設展が全面的に更新され、設備の長寿命化も図られました。展示更新後は、コミュニケーションを重視する学びの場の再構築を進めており、大規模なサイエンスショーや体験性の高いワークショップ、全編ライブ解説のプラネタリウム投映が人気を集めています。
浜松科学館へ、ようこそ。
このたび新しく生まれ変わった浜松科学館の名誉館長の天野浩です。
今回リニューアルした浜松科学館には、新しい科学展示がたくさん入りました。
また、これまで以上に新たな講座・イベントも実施していきます。是非、実際に「見て、ふれて、ためして、学ぶ」展示や講座・イベントを体感してもらいたいと思います。
実際に科学を体験することで、その不思議さに、「なぜそうなるのか?」と思ってしまうことがあるでしょう。
この思いが芽生え、その先を知りたいと思ったら「科学する心」のスタートです。
疑問から始まった探究心は、更なる好奇心を生みます。
この力が「科学を発展させてゆく源(みなもと)」となります。
私の生まれ育った浜松は、「ものづくりのまち」です。
浜松で産み出された産業は、新しい科学技術を基礎に日本の産業をけん引してきました。
これからも浜松から多くの科学に携わる人や、新しい産業を興していく人たちが浜松はもとより、世界に羽ばたいていくことを楽しみにしています。
私も名誉館長として、浜松科学館が「科学教育の拠点」として、子どもたちの「科学する心」を育て、老若男女問わず、幅広い世代の人たちに科学に興味を持ってもらう場となるよう、ますます力を尽くしていきたいと思います。
2019年7月1日