寒い日が続きますが、春の兆しがちらほらと見え始める時期になりました。
2月の星空案内をお届けします。
2月の星空案内:「冬のダイヤモンド」を探してみよう
2023年2月 上旬:21時ごろ 中旬:20時ごろ 下旬:19時ごろ
惑星の位置は中旬ごろを目安にしています
今年の立春は2月4日で、暦の上では春となりますが、まだまだ寒い日が続きます。
夜空にはまだまだ冬の星座たちがよく見えています。
冬は明るい一等星が多いのですが、一等星を結んで「冬のダイヤモンド」を探してみましょう。
まずは、「オリオン座のリゲル」から「おうし座のアルデバラン」、「ぎょしゃ座のカペラ」、「ふたご座のポルックス」、「こいぬ座のプロキオン」、「おおいぬ座のシリウス」、そして再び「オリオン座のリゲル」へと線を結んでください。
すると、夜空に大きな六角形が作れます。これを冬のダイヤモンドと呼んでいます。
明るい一等星で構成されているので、みなさんのご自宅付近からでも見つけることができます。ぜひ、夜空で大きな六角形を探してみてください。
今月の星座:ふたご座
明るい方が一等星の「ポルックス」で少し暗いのが二等星の「カストル」です。ギリシャ神話によると、カストルがお兄さんで、ポルックスが弟です。二人のお父さんは神様で、お母さんは人間でした。そのため、カストルは普通の人間でしたが、ポルックスは神様の血を引き不死身の体を持っていました。
ある戦いで、カストルは流れ矢に当たって死んでしまいました。弟のポルックスは深く悲しみ、自分も死のうとしましたが、不死身の体のため死ぬことができません。そこで、神様にずっと兄と一緒にいたいので、不死の力を解いて欲しいと願いました。神様は兄を慕う弟の心に打たれて、二人を星座にしたとされています。ぜひ、ご自分の目で星の色の違いも確認してみてください。
(文:浜松科学館 天文チーム)
宇宙から愛をこめて
2月14日はバレンタインデーですね。恋人たちの日だとされています。愛情を表す象徴として「ハートマーク」が使われることが多くあると思いますが、宇宙にも様々なハートマークがありますので、ご紹介します。
まずは、火星のハートマーク。NASA(アメリカ航空宇宙局)の火星探査機マーズ・グローバル・サーベイヤーが撮影しました。盛り上がっているようにみえるかもしれませんが、この“ハート”は、くぼんでいます。ハート形のくぼみの幅は最大2.3kmほどあります。続いて、冥王星のハートマーク。NASAのニューホライズンズという探査機が撮影しました。冥王星は2006年に分類上、太陽系の惑星ではなくなりましたが、無くなったわけではありません。
この“ハート”のエリアは、冥王星の発見者であるクライド・トンボーにちなみ「トンボー地域」と呼ばれています。主に氷の平原だと考えられています。
最後に太陽系の外にあるハートマークをご紹介しましょう。カシオペヤ座とペルセウス座の境界付近で輝くIC1805は、その形から「ハート星雲(Heart Nebula)」と呼ばれています。赤い星雲が少し歪んだハート型をしているのがわかります。 地球からこの星雲まで、約7,500光年離れていると考えられています。
ハート星雲はHα光という波長で輝いているため、残念ながら、肉眼ではほとんど見ることができません。さまざまな色の光を放出しているガスからなる天体です。
星空は一期一会。二度と同じ星空には出会えません。
大切な人と一緒に星を眺めて、思い出を作ってみてはいかがでしょうか?