「みらいーらブックセレクション」は、浜松ロータリークラブ様との共催で、市内の小・中学生を対象に、科学館職員がその人に読んでもらいたい本を1冊選んでプレゼントする、という企画です。展示では、本を受け取った子どもたちのメッセージと、本を贈った職員のメッセージを、贈った本とともに展示しています。
にぎやかな科学館の中で、とても静かで小さな展示ですが、多くの人が足を留めてくださっています。
この企画では募集の際、応募者にいくつかの質問に答えていただきました。
〇好きなものを教えてください。
〇もっと知りたいことは何ですか?
〇これからやってみたいことはありますか?
〇今、困っていることを教えてください。
〇これだけはしないと心に決めていることはなんですか?
これら質問への回答をもとに、職員がその人にぴったりだと思う、あるいはぜひ読んでもらいたいと思う本を1冊ずつ選びました。選書はとても難しい作業ですが、職員はアンケートの回答の向こう側にいる子どもたちを思い浮かべながら、楽しく本を選んだのではないかと思います。
それにしても、科学館が「本」をプレゼントするというのは、少し意外なことに思われるかもしれません。しかも、選書は科学に関係する本ばかりではありません。職員が選んだ本は、実に多彩です。
「みらいーらブックセレクション」の面白さは、二つあると思います。
一つは、「本との出合い」です。
本を贈られた皆さんのもとには、もしかしたら、今まで手に取ったことがないような本が届いたかもしれませんね。でも、本は新しい世界への「扉」のようなもの。思い切って扉を開けて、見たことのない風景を楽しんでくれたら嬉しいです。
そして、もう一つは「交流」です。
「みらいーらブックセレクション」では2つの交流がありました。
1つ目は言葉の交流です。展示しているメッセージを紹介します。
(お名前は、展示するにあたり本名かニックネームを選択していただきました。)
2つ目は、実際に選書した職員との交流です。
メッセージや感想を書いてくださった方には、記念品を差し上げたのですが、その時初めて、選書を担当した職員と応募者が顔を合わせました。
「本はおもしろかったですか?」
「星座が大好きなんですね。プラネタリウムもぜひ、観にきてください。」
「とても気に入りました。毎日読んでいます。」
「少し、難しい本でした。」
など、展示された感想やメッセージを前に、少し恥ずかしそうに職員と話をする様子が見られました。
中には、アンケートに書かれた「もっと知りたいこと」について、職員が手書きで作った資料を手渡し、その場で解説をする場面も。
1冊の本を介して、小さな交流が生まれる。
「本」が科学館と人をつなぐ。
それが、この「みらいーらブックセレクション」の面白さではないかと思います。
6月24日には、浜松ロータリークラブ様による記念品の贈呈式も行われました。
「みらいーらブックセレクション展」が開催されている、1Fのサイエンスライブラリーは、カフェが併設された、入場料なしでどなたでもご利用できる場所となっています。
ぜひ、職員が選んだ本と、メッセージのやり取りを多くの方に見ていただけたらと思います。
そして、浜松科学館では常設展示だけでなく、サイエンスショーやミニワークショップ、プラネタリウムなど科学を楽しむ入り口をたくさん用意して、皆さんをお待ちしています。
あまり科学に興味がない方も「みらいーらブックセレクション」をきっかけに、気軽に足を運んでくれたら嬉しいです。
開催日:2022年6月18日~8月31日
イベント担当者:横田誓子
共催:浜松ロータリークラブ