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15分で自然観察:チリメンモンスターをさがせ!

皆さん、こんにちは。
浜松科学館の生き物博士、小粥です。

11月18日(土)に「15分で自然観察」を開催しました。
今回のテーマは「チリメンモンスターをさがせ!」です。
チリメンモンスターとは、ちりめんじゃこの中の小さな生き物たちのことです。

私たちの食卓に上がることのある「ちりめんじゃこ」。
この白色の小さな魚を、熱々のご飯と一緒に食べると美味しいですよね。
チリメンモンスターを観察する前に、そもそもちりめんじゃことは一体何なのでしょうか?

「ちりめんじゃこ」は絹織物の「ちりめん(縮緬)」と小魚を意味する「じゃこ(雑魚)」を組み合わせた単語です。
浜松や関東地方では、「しらす干し」とも呼ばれますね。
ちりめんじゃこに含まれる魚のほとんどは「カタクチイワシ」と「マイワシ」。
カタクチイワシやマイワシは成長すると体長20 cmくらいまで大きくなり、刺身や焼き魚として食べられます。
「ちりめんじゃこ」という名前の魚がいるわけではなく、イワシの仲間の稚魚だったのですね。

この「ちりめんじゃこ」の中に、時々、小さなエビやタコ、イカなどが入っていることがあります。
これらとイワシの稚魚をあわせた小さな生き物たちをモンスターに見立てて「チリメンモンスター」略して「チリモン」と呼びます。

イベント用に特別に用意したサンプルをシャーレにあけると、多種多様な生き物たちが目に飛び込んできました。

興味のある生き物をピンセットでピックアップして、虫眼鏡や実体顕微鏡で観察し、図鑑で同定していきます。
観察できた生き物たちを少しだけご紹介しますね。

これらの他にもアユ、タイの仲間、シャコのアリマ幼生、ウミノミの仲間、ウキツヅノガイ、ヤムシの仲間など様々な生き物が観察されました。

チリメンモンスターたちは、主に船ひき網漁という方法で獲られます。
これは網で海中を泳いだり漂ったりしている生き物たちを捕まえる漁法です。

昔はちりめんじゃこの中にたくさんの生き物が入っていた記憶がありますが、最近はイワシ類とそれ以外を分ける技術の向上によって、混ざりものが少なくなっています。
イベントでは混ざりものがたっぷりと入ったワクワクするちりめんじゃこを用意しました。

海中表面の明るい場所で光合成をしながら生きる植物プランクトン。
そしてそれらを食べるオキアミやカニの仲間のメガロパ幼生、さらにそれらを食べるその他のチリメンモンスターたち。

私たちが普段食べているちりめんじゃこは、これらチリメンモンスターの内のほんの一部だったのですね。

海には本当にたくさんの生き物たちが棲んでいます。
そんな当たり前のことを改めて実感した15分間でした。